億万長者になったら

http://plaza.rakuten.co.jp/chocoolique/diary/200501250000/
大金持ち、ケチを好む。ケチを好むもの必ずしも大金持ちとならず、か。
　
　その昔、大金持ちになったら買いたいと思っていたものが山ほどあった。ところが今は欲しいものがない。もちろん、それらを全部手に入れてしまったからでは、まったくない。むしろ、手に入れる前に欲しくなくなってしまったのだ。ちょっと勢いを付ければ手に入るものは、いつでも買えるだけに買わないものだ。そのうちに欲しい気持ちがどこかに行ってしまう。
　
　えーと、何が欲しかったっけか。
　
　ああ、プロジェクターが欲しい。でかいスクリーンが欲しい。デジタルサウンドフィールドプロセッサが欲しい。音いいCDプレイヤーが欲しい。音いいDAC作ってくれよじんそん。
　
　ああ、楽器が欲しい。アナログシンセが欲しい。EWIが欲しい。ムーグ製のテルミンが欲しい。テルミンＴシャツが欲しい。あ、これは持ってる*1。
　
　あ、そういえば。
　
　今、金を出して買いたいものがある。それは時間だ。プロジェクターで映画見る時間をくれよ。オーディオやる時間くれよ。キーボード弾く時間くれよ。コンポーズさせてくれよ。EWIとテルミンを練習する時間くれよ。
　
　時間っていくらだ。タイムマシン、くれよ。時を戻させてくれよ。カサブランカに愛を。殺人者は時空を超えて。
　
　んな事言いながら、別に全然時間がないわけでもないのだ。時間は作ればいくらでもなんとかなる。要するに、それよりも欲しくないほど、自分にとって優先順位が低くなってしまったということだ。
　
　欲しいものがないのは、俺にはあまりいいことではないような気がする。欲求は人を動かす。物によって突き動かされないということは、それだけで一つ、俺を頑張らせるものを失くしている気がする。
　
　よーしイメージしよう。俺は大金持ちになったらこうするぞ。そのため俺は明日から頑張るのだ。
　
　「あま〜いぼたもちを腹いっぱい食べる」
　
　欲求の持続のためには、大金持ちになるまで、これをしない。俺はぼたもちを目の前にしても財布からお金を出すことはせずに、ただヨダレを止め処なく垂らし続けるのだ。
　

テルミン コレクターズBOX [DVD]

*1:楽器のテルミンがプリントされているＴシャツではなく、テルミン博士のお顔がＴシャツにでっかくプリントされたナイスなＴシャツである。